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『僕は愛を証明しようと思う』は恋愛工学を”乗り越える”ための本だ。《ぼく愛考察》

 

藤沢数希の 『僕は愛を証明しようと思う』は、恋愛工学を乗り越えるための本だ。

 

 

 

皆さんこんにちは。詞です。

 

 

 

今回は、珍しく書評を。

 

 

 

友人から、『この本はすごい!』と勧められて、買ったこの本。

 

 

『僕は愛を証明しようと思う』

 

 

 

はじめてタイトルを読んだときの感想は、

なんだこれ? 小説か?哲学書か?

 

 と思いましたが、

 

 

この本はただの本じゃあなかった。

 

 

あらすじ

 

非モテをこじらせすぎた主人公が、”永沢さん”という、恋愛工学の達人であり、最強のナンパ師に出会い、彼から、恋愛工学を教わることによって、主人公が最強のナンパ師になっていくが。。。

 

 

というのが、本書の大体のあらすじ。

 

 

 

と、まあ書いてあるわけです。

 

 

 

 

 

 

著者 藤沢数希とは何者か

 

どんな人が書いている本なんだ?と見てみると、

 

藤沢数希

物理学Ph.D. 海外の研究機関で計算実験の研究、外資系投資銀行でトレーディング業務などに従事した後、作家、投資家として独立。

日本、アジア、欧米諸国の恋愛市場で培った経験と学生時代より研究を続ける進化生物学の理論、

さらには、心理学や金融工学のリスクマネジメントの技法を取り入れ「恋愛工学」という新しい学問を創出。

 

 

めちゃめちゃ優秀な人じゃないか!!! 

 

 

 

 

物理学のph.Dなんて、大学でまともに勉強しないと取れない学位だし、

 

 

外資系投資銀行、(いわゆる外銀、ゴールドマンサックスとか、)出身の

 

めちゃめちゃ頭のいい人が、

 

 

『恋愛工学』なんて胡散臭いものを書いているということに、

 

 

衝撃を受けて読んでみることに。

 

 

 

感想 (ここはすっ飛ばしてOK)

 

 

内容としては、主人公の師匠にあたる永沢さんが、

 

 

主人公にひたすら、恋愛をうまくいかせるための技術、”テクニック”を伝授し、

 

それを主人公がひたすらPDCAを回しまくって成長していくというストーリーで、

 

 

細かな恋愛工学の理論や、テクニックが小説というストーリーにのせて、

 

 

分かりやすく、使い方、目的、効果、などが解説されていて、

 

 

めちゃくちゃ目から鱗が落ちるような内容の本であった。

 

 

 

 

 

 

 だけど、自分の中で、すっごくもやもやするところが一個だけあった。

 

 

 

それは、物語の結末である。

 

 

 

 

《本論》この本は、恋愛工学を乗り越えるために書かれている 《ネタばれアリ》

 

 

 -----✂-------ネタバレの切り取り線ーーーーーーーー✂ーーーーーーー

 

 

自分なりにこの本を色々と解釈したり、

 

 

友達と議論してみたりしながら、いろいろ考えてみて、

 

 

まだ答えは出てないんですが、

 

 

 

 

この本は恋愛工学のテクニックのための本ではなく、

 

 

恋愛工学を乗り越えるための本なのでは?

 

 

 

という結論に至りました。

 

 

 

以下根拠を書いていきます。随時更新中

 

 

根拠1.なぜその結末なのか

 

ざっと読むと、この本は、恋愛工学の諸テクニックを解説し、

 

それをどのように使えば、うまく恋愛、ナンパができるか?

 

 

という事を解説した本のように思えます。

 

 

 

しかし、物語は最後の最後になって、なぜか、あらぬ方向に進んでいくのです。

 

 

 

 

 ---------------------------------------

 

 

 

 

ナンパをし続け、数えきれないほどの女性と関係を持ちながら、

 

 

最強の美女とも関係を持ち、セルフイメージが高まり、見違えるようになった主人公。

 

 

 

 

しかし、過去に関係を持った女性に、婚約者がいたこと、

 

 

婚約者に主人公と彼女の関係性が発覚したことによって、

 

 

主人公はセクハラで会社から追放され、

 

 

ナンパ、豊かな生活から一転、自信を喪失し、

 

 

 

女の人に声をかけることもできず、貯金も使い尽くしてしまう。

 

 

 

 

 

 

傷心の中、何となくたどり着いた旅先で、一人の女性に出会う。

 

 

 

 

そして、主人公は、はじめ自分が非モテコミットを重ねて、女性に搾取されていた時のように、

 

 

 

ナンパ師として、男を磨きまくった後で、

 

あえて、”彼女一人を愛する”という、

 

一見非モテコミットに逆戻りしたかのような行動をとるのだ。

 

 

 

彼のナンパの師匠、永沢さんに、彼が再会した時のセリフがこれだ。

 

 

 

主人公

『僕自身は、本質的には昔と何も変わっていない。

いや、昔の非モテ時代の僕の方が、むしろ彼女たちにとっては都合がよかったはずです。

 

決して裏切らず、誠実に一人の女に尽くすことしか知らないわけですから。

 

じつは、僕は恋愛工学を学び始めたころ、ずいぶんと悩んでいたんですよ。

 

なぜ、昔の僕を彼女たちは愛してくれなかったのだろう。と。

 

そして、恋愛をゲームのように考えるようになった僕を、彼女たちはなぜ愛するのだろう、と。』

 

 

永沢さん

『それは恋愛工学を学ぶものが通らなければならない道だ。

 

お前は、昔ながらの愛を捨て、恋愛ゲープレイヤーとなることを選んだんだ。

 

恋愛工学は、ある意味で、愛を再定義したんだ。』

 

 

主人公

『でも、今度の彼女のことは、昔のように、

 

かつての非モテだった時の僕のようにずっと愛することができると思うんです。

 

そして、愛されることも。今回だけは違う気がするんです。』

 

 

 

永沢さん

『今回だけは違う?』

 

永沢さんは少しバカにしたような口調で言った。

 

 

主人公

『僕はとんでもない夢想家になってしまったのかもしれません。

でも、やはり信じたいんです。』

 

~中略~

 

永沢さん

 

『おまえなら、一人の女を愛し続けるための恋愛工学も

 

生み出すことができるかもしれない。少なくとも、試してみる価値はあるかもな』

 

心なしか、すこしだけさみしそうな顔をしていたような気がした。

 

 

 

 

こんな感じで、主人公が一人の女性を愛する

 

という方向性を取ろうとしたときに、

 

 

師匠である、最強のナンパ師永沢さんは、主人公を始めはバカにしたように扱います。

 

 

しかし、

 

 

主人公の真剣さや、自分に追いつくような実力を身に付けた主人公が、

 

美人をひたすら落とし、ひたすら女の人と関係を持つという方向とは異なる、

 

 

一人の女性を愛する、という方向に向かったことを、最終的には認め、

 

 

美女を落とすのではなく、その先にある、

 

 

一人の女を愛し続けるための恋愛工学の存在を示唆するのです。

 

 

 

 

永沢さんは、おそらく、絶世の美女を落としまくり、

 

何不自由ない生活を送っているように見えますが、

 

 

主人公が目指そうという境地に自分が行くことのできない、もどかしさや、

 

 

今の生活にある空虚な感覚、

 

 

弟子が自分を超えて離れていってしまうことへの悲しみなどが入り混じった感情が、

 

 

最後のさみしそうな顔に表れているのかなと。

 

 

 

根拠2.藤沢数希は物語の中の誰なのか?

 

 

 

twitter.com

藤沢数希のツイッターアカウントの発言を見ればわかるのですが、

 

 

彼は合理主義的な思考にめちゃくちゃ強く、

 

 

Twitter上での発言もかなり合理的、理性的で、

 

 

とても、主人公が最後に取った方向である、

 

 

 

『一人の女性を愛し続ける』みたいな

 

 

情熱的な方向と相いれないように見えてしまうのは、私だけでしょうか。

 

 

 

なので、ここから考えるに、

 

 

 

本を書くにあたって、藤沢数希氏は、

 

 

登場人物に当てはめると、永沢さんというポジションであり、

 

 

主人公は、藤沢数希が過去に取った彼の ”弟子” 

 

 

なのではないかと思うんですね。

 

 

 

 

 

 

藤沢数希自信は、永沢さんというポジションで、

 

ひたすら恋愛工学を駆使し美女を落とし続けていて、

 

 

 

 

彼の門下生が、彼と違った方向性を取った、

 

 

ということをベースの体験談として書いているのでは。。。?という推察ができます。

 

 

 

 

 

 

一方で、藤沢数希自身が主人公であり、藤沢数希自身が、

 

一人の女性を愛し続ける恋愛工学を探求しているという、実直な読み方もできるのですが、

 

 

個人的には藤沢氏のツイッターを見ている感じ、

 

そんな雰囲気は感じられないんですよね。

 

 

 

彼のメルマガ、金融日記を購読している方がいらしたら、

 

 

推察でいいので、主人公か永沢さんのどっちが藤沢数希本人なのか、

 

 

コメントで書いてほしいです。

 

 

 

 

 

 

根拠3.なぜタイトルが、『僕は愛を証明しようと思う』なのか

 

 

根拠3つ目なんですが、

 

 

内容がナンパを理論化したような本なのに、

 

 

なぜ、『僕は愛を証明しようと思う』なんてタイトルにしたんでしょう。

 

 

 

 

 

藤沢数希自身が、自信が体系化した恋愛工学の限界に自分自身で気づいたから?

 

 

 

彼自身が恋愛工学の先にある、

 

『一人の女性を愛するための恋愛工学』を垣間見たから?

 

 

 

 

いずれにせよ、この本は恋愛工学のメソッドをまとめた名著としてしか

 

語られることがないですが、

 

 

 

 

明らかに、

 

 

 

恋愛工学の先を見据えたような内容に、最後の最後に触れているのです。

 

 

 

恋愛工学のその先。

 

 

 

Twitterを見てみると、ナンパをする人達には、界隈のようなものがあって、

藤沢チルドレン、恋愛工学を駆使した人たちが多くいます。

 

 

 

しかし、恋愛工学のその先にあるものは何なのか、

 

 

それを考えている人はほとんどいない印象です。

 

 

 

次の藤沢さんの本は、これに関した内容なのかもしれません。